その日は親がるすだったけど、なんかピアノに向かう気が
しなくてソファにすわりボーっとしていた。
トントン。ノックが聞こえた。
ぼくはどこから音がしたのかと思いきょろきょろした。
げんかんまで行き戸を開けてみたけどだれもいない。
トントン。また聞こえた。
ぼくは急にこわくなった。ぼくはおばけなんて信じていない。
だけどこの音は?
ろうかを通って部屋へもどろうとした時、
トントン。
―わかった。音はここからだ。―
ぼくはろうかにかけてあるかがみの前に立った。


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