パグのおばあさん

その2

ある日、子どもたちがいつものように通りで遊んでいた。
そしていつものようにおばあさんがパグを連れ通りかかった。
子どもたちはもうおばあさんとパグが似ていることにおどろかない。
おばあさんはゆっくりと通りすぎ、家に帰っていった。
そのようすを目でおいながらコウスケが言った。
「この間、あのおばあちゃん縁側でパグとトランプしてたで。」
「えー、うそー、パグがどうやってトランプすんねん?」ケイタが言った。
「わからんけど、おばあちゃんが縁側にトランプ広げてなんかしててん。
ほんでパグもトランプくわえておばあちゃんの横におってん。」
「くわえてただけちゃうん?」
「でもほんまトランプしてるみたいに見えてんて。」
ケイタはおばあさんとパグがトランプしてるところを想像してみた。
「おれも見たかったな。」
「今度見つけたら教えたるわ。」


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