その山へは
もう10回ほど行っている。
急な斜面のそこにかれらがいる。
かれらは勇敢にも
その斜面に立っている。
そして風をまっている。
ぼくはかれらの気持ちを想像し
もし自分ならすぐに逃げるだろうと思う。
でもかれらは逃げるつもりはない。
それならばさいしょから
ここへは来ない。


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